「平屋の家」施工レポート工事内容
まずは敷地調査から始まります。
隣地の家、方位、風の流れ、太陽の向き、見えるもの、見たいもの、見たくないものetc
確認して敷地の図面に落とし込んでみます。
↓1/100スケールの建築模型を作って全体のバランスや、採光を調べます。
↓敷地の地盤調査を行います。(スウェーデン式サウンディング試験)
結果は川の扇状地にあって、比較的安定した地盤でした。
布基礎工法でもよいのですが、廣瀬ハウジングは応力分散能力に優れた
ベタ基礎工法を標準で採用しています。
↓土台引き工事です。
土台はヒノキの120㎜×120㎜
基礎パッキン工法を採用しています。(木と基礎の間の黒いプレート)
この工法で、床下の通気を確保しています。
そのため、基礎に通気口の大きな穴を開けなくてもよいので、
基礎の割れ(クラック)が入りにくくなります。
↓床を支える床束(鋼製束)
床の土台の長さが3m・4mになると、床束の足(コンクリートと床束の接着面)
は、ボンドだけでは床の浮き上がりの心配があるので、
真ん中にコンクリートと土台をつなぐボルトを打ち込みます。
↓上棟です。
破風板・鼻隠しをなるべく細く見せて、軒の出を出したかったので、
軒先には増しタルキを入れて、雪が積もっても平気なようにします。
屋根の棟には、屋根裏に湿気がこもらないように通気口を瓦の下に忍ばせます。
↓瓦工事
瓦は、スッキリした平板を採用。
隅の掛かった棟の部分もゴッテリしない、シャープな瓦です。
↓耐力面材モイスTM貼り
このモイスTMは、湿気の吸着と放出が他の面材と比べて
非常に優れているので、壁内結露等と言った
眼には見えない所での木材の防腐等を防いでくれます。
↓木製建具(大開口引き込みリビングサッシ)
玄関入口とリビングサッシは、オーダーサッシで木製で出来ています。
部屋の手前から言うと、障子→ガラス戸→網戸となっています。
戸を開くと、壁の中にすべて引き込むので、とても開放的な部屋へと変わります。
↓断熱材・気密工事
断熱材はロックウールを使います。
壁の断熱材の厚みは100㎜
天井は100㎜×100㎜で合計200㎜
壁の断熱材の継ぎ手には、気密テープで隙間をなくします。
天井は、200㎜の断熱材を乗せてその後、気密シート(ピンク色のシート↑)
を全体に貼って、気密テープで隙間をなくします。
↓床断熱
本来廃棄される古紙を加工した、断熱材を採用しました。
↓外壁工事(下塗り)
火山灰で出来た(高千穂フェニックスのそとん壁)100%自然素材の外壁材を採用しました。
縦に木を打って、横に木をさらに細かく打って
そとん壁専用の防水シートを貼ります。
その上にラス網を貼ってようやくそとん壁の下塗りです。
↓外壁仕上げ工事
下塗りが完全に乾いてから、仕上げの壁を塗りつけます。
その後、ケンザンみたいなもので擦り落とします。
これで乾けば完成です。
↓天井板+床板工事
玄関ホールはピーラーでLDKはヒノキ・寝室は杉の天井板です。
床板はヒノキの節ありです。
洗面脱衣室の壁全体に、木よりも格段に湿気の吸着が良いモイスを貼ります。
↓大工さんが洗面台や下駄箱・TVカウンター(収納付き)・食器棚を作ります。
下駄箱の裏板はモイスで仕上げてるので、消臭効果も抜群です。
食器棚・炊飯器の置く場所にもモイスが貼ってあり、
炊飯器の蒸気で板の裏が結露する事は有りません。
大工さんが家具を現場で造ることによって、逃げ(壁〜壁・・・隙間の無い)
の無いピッタリと納まる家具になります。(好きな寸法に作れる)
↓二段鴨居
寝室の窓のカーテンにはプリーツスクリーンを付けるため、
普通に鴨居を入れると、カーテンを閉めた時にカーテンの溜まりが窓の採光を邪魔してしまい、
結果、小さな窓の採光になってしまったのでは、もったいないので
サッシを取り付ける鴨居・カーテンを取り付ける鴨居の二つに分けて鴨居を取り付けました。
ちょっとした、心使いで大きな違いです。
↓内装工事(左官工事)
和室には珪藻土ジュラクを採用しました。
石膏ボードの上に下塗りをして、完全に乾いた後に仕上げを塗ります。
↓他の部屋は、火山灰で出来た100%自然素材で出来た
薩摩中霧島壁を採用しました。
これは、下塗り無しで(珪藻土の厚みは≒1.5㎜)よりも
分厚く塗りつけて行く(中霧島壁の厚み≒5㎜)ので
調湿効果も珪藻土に比べて、抜群にいい材料です。
↓リビング天井の一部に
主に卵の殻と火山灰で出来て、
ホルムアルデヒドやアンモニア臭などを吸着分解してくれる
まっ白なビーナスコートを吹き付けました。
↓建具工事
建具屋さんの加工場まで行って施工を見てきました。
↑建具を組み立てると見えなくなる部分です。細かな仕事されてます。
現場まで搬入して、微調節しながら建具をはめこんでいきます。
以上、大まかな施工の流れと、施工内容です。
既製品を使わず、一つ一つ職人さん達が丁寧に造りました。
木の素材と左官壁の素材がお互いに強調し過ぎない、
バランスの良い、うまくまとまった綺麗な家になりました。
完成写真をご覧ください。